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2月も末日となりました。
雪の心配をする日が少なく、過ごしやすかったと思うのは私だけではないでしょう。
さて、今月エントランスに掲示したのは、次のことばでした。
「利他」は、「利己」に対する語として最近よく目にするようになりました。
そもそも仏教の言葉としてある語のようです。
現実として、なかなか難しい心構えですが、世に住む人々がほんの少しでもそういう心を高められれば、世界はずっと良くなる気がします。
おすすめに取り上げたのは次の三冊でした。
「生き方」 稲盛 和夫∥著 サンマーク出版 2004/08
二つの世界的大企業――京セラとKDDIを創業し、JALの経営再建を成し遂げた当代随一の経営者である著者が、その成功の礎となった実践哲学をあますところなく語りつくした人生論の〝決定版〟!
あまりに有名なこの著の、根本精神にも「利他」の心が息づいているはずです。
「利己的なサル、他人を思いやるサル」
フランス ドゥ ヴァール∥著 西田 利貞∥訳 藤井 留美∥訳 草思社1998/01
障害のある仲間を助ける地獄谷のニホンザルや盲目の兄弟をかばうアカゲザル。慈愛に満ちた霊長類たちの行動から、人間社会のモラルの本質を探る示唆にとんだ一冊
客観的な目で、社会を、人間を、自分を考えてみることに役立つ一冊です。
次は「絵本」ですが、発刊以来大きな反響を呼んだ一冊です。
「二番目の悪者」
林 木林∥作 庄野 ナホコ∥絵 小さい書房 2021/04
金色のたてがみを持つ金のライオンは、自分こそが、王様になる資格を持っていると思っていた。だが、街外れに住む強くて心のやさしい銀のライオンが、次の王様にぴったりだという噂話(うわさばなし)を聞いた金のライオンは、銀のライオンのありもしない悪い噂を広めて歩き…。
もう一冊、これは以前にも紹介しているのですが、語がそのまま出ているので、改めて紹介します。
「あなたが世界のためにできるたったひとつのこと」
ピーター シンガー∥著 関 美和∥訳 NHK出版2015/12
世界をより良い方向に一歩進めようとする「効果的な利他主義」。さまざまな効果的な利他主義者の生き方と、彼らが作り出し、世界に影響を与えている新しいムーブメントについて語る。
機会をみて、ぜひ一冊読んでみてください。