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4月最後の詩作品紹介となります。
「羽後の子ども」第28集(1997年度)より
この年度は9月に五輪坂スポーツガーデンが完成しました。
11月には西馬音内地区に大型ショッピングセンター進出し、国道398号線の姿が大きく変わりました。
大晦日の夜、町出身歌手の岩本公水さんがNHK紅白歌合戦出場したのもこの年でした。
しんまい
元西小1年
いすにすわったら、
白いゆげ。
ぼく、
うらしまたろうになっちゃった。
おちゃわんもったら、
きらきらひかるおほしさま。
いろは、
まっ白。
青い空にうかぶ
くじらぐもみたい。
はしでつまんだら、
びっくり。ほんとの
おほしさま。
口まできたら、
あまいにおい。
ケーキのきょうだいかな。
早くたべたよ、
もぐもぐもぐ。
おかわりしたよ、
むしゃむしゃむしゃ。
あー、
おなかいっぱい
たべすぎちゃったよう。
◆笑顔が見える。家族の顔が見える。「新米」という、一年の農家の働きの結晶がそこにあって、きらきら光っている。食べることは生きること。その意味が伝わってくるようだ。
みかんまき
西馬音内小5年
屋根からみかんとおかしがとんでくる
人の頭をこしてとんでくる
そのみかんとおかしをめがけて
人がとぶ
頭や足の間をみかんとおかしがとぶ
ぼくはジャンプをしてナイスキャッチ
みかんがおもしろがってとびはねる
じいさんばあさんもとびはねる
赤ちゃんもせなかではねる
雪までもみかんとおかしを見ながらまってる
犬もねこもいたらとぶだろう
店の人たちも屋根の上で
右に行ったり左に行ったりして
とんでるみたいだ
投げられたみかんはおもしろがってわれちゃった
小さなおかしは雪でけしょうして落ちてきた
楽しいなあ
みかんまきは
大さわぎ
◆みかんまきの夜は、心が浮き立って、まく者も拾う者も、そしてまかれるみかんでさえ、とんだりはねたりしているように見える。寒い時期の小正月行事、その熱いエネルギーは、雪を融かすいきおいがある。