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シリーズ3回目です。
「羽後の子ども」第44集(2013年度)より
2013年度。あの大震災から3年目、TVでは「あまちゃん」が放送され、プロ野球の東北楽天が優勝した年でもありました。
もう一人の友達
仙道小5年
かげ。かげ。かげ。
どんなことをしてもまねをする。
話しかけても答えてはくれない。
ぼくの友達。黒い友達。
晴れの日はいつでもいっしょ。
でもなぜか雨や曇りだといなくなる。
きっとお出かけだろう。
でも、晴れの日になると帰ってくる。
ぼくの友達。黒い友達。
かげ。かげ。かげ。
◆誰にも必ずいる友達。離れても絶対にもどってくる。かけがえのない存在。ふだんは何も言わない。けれどきっとその「友達」が話しかけてくる時がくる。
霜月と小さな命
羽後中2年
空の上から散りばめられた
小石ひとつに満たない
白い輝石
無数に散りばめられた輝石のひとつひとつが
まるで天使のように
舞い降りた
僕は
夜空を笑わせようと試みたが
夜空はちっとも表情を変えない
そっぽを向いて一歩踏み出しかけたとき
周りで天使が
微笑んでいた
だから舞い降りた天使たちは
自らの命とひきかえに
白銀のパズルの一ピースとなって
絶え間なくその身を捧げていた
天使たちは
決して嘆こうとはせずに
◆季節の変わり目を自然からの祝福ととらえれば、どんな命も輝いて見える。失われそうな一瞬もまぶしく目に映る。光ある世界に僕らは暮らしていることに感謝したい。